骨盤のゆがみを整えるというようなことを雑誌やネットなどでよく目にします。
『骨盤矯正ダイエット』とか。
整体で骨盤をバキッ!っとされるとなんか効きそうな気がします。
そうやって骨盤が矯正されるとウエストが細くなりそうな気がするじゃないですか。
でもお医者さんは「骨盤はゆがまない」「骨盤矯正なんてありえない」というようなことをよく言っています。
これはどういうことなのでしょうか。
骨盤はゆがまない
世間で『骨盤矯正』といわれている施術は、骨盤にある関節をバキッと鳴らしているだけです。
指をボキボキ鳴らすのと変わりません。
ケンカの前の儀式のように指をボキボキしても手の形は変わりません。
同じように骨盤の関節をバキッと鳴らしても骨盤の形は変わりません。
骨盤は3種類の骨が固まってできた『寛骨』と、背骨の一部でもある『仙骨』からなります。
身体の土台となるような一個のパーツです。
これは例えるならマグカップみたいなものです。
マグカップは硬いし、強くにぎったところで形は変わりません。
マグカップの形がゆがまないように骨盤もゆがみません。
骨盤は傾いている
お医者さんが言うように骨盤はゆがみません。
では整体では何を『矯正』しているのでしょうか。
テーブルにお箸が置いてありました。
そのお箸の上にマグカップを置きました。
するとマグカップは傾いてしまいます。
一般的に「骨盤のゆがみ」と言われているものはこういうことなのです。
正しくは、傾いているだけ。
でも「ゆがみ」と言ったほうが伝わりやすい。
インパクトもありますしね。
『骨盤矯正ダイエット』という言葉のおかしさ
骨盤矯正ダイエットという言葉があります。
しかしこれって非常におかしい言葉なんです。
おそらく世間一般では、
骨盤が開いているのが問題。開いているところに脂肪がたまるから。
骨盤をバキッと矯正して骨盤を小さくしてしまえば痩せる。
これくらい安易に考えているんだと思います。
しかし骨盤の形なんて変わりません。
小さくもなりません。
そして『ダイエット』という言葉の意味も間違っています。
ダイエットの本来の意味は「健康のための食事」ですが、一般的には「痩せる」という意味で使われています。
でも現代人はそんな言葉の意味なんて気にしません。
そんな言葉の意味なんてどうでもよくって、ただ楽して痩せたいだけ。
そういう安易な消費者心理に乗っかって、医学的な根拠なんて全くない『骨盤矯正ダイエット』なんて言ってたら……
そりゃあお医者さんだって一言いいたくなりますよね。
「骨盤の傾き」と「身体のゆがみ」
骨盤はゆがみません、傾くだけです。
しかし骨盤が傾いているとバランスをとるために身体はゆがみます。
筋肉や骨格は左右対称です。
でも内臓は左右非対称ですし、右利き左利きとか動きも左右非対称です。
そうしたことから骨盤の傾きが生まれ、身体にはゆがみが生まれます。
左右のバランスが崩れることで、左右の関節は同じように動けなくなります。
そういった異常を知らせるサインが「痛み」だったりするわけです。
整体では、そういった「身体のゆがみ」を整えています。
もちろん「骨盤の傾き」も整えます。
おまけ
そうしてキレイに整ったからだはウエストも細くなります。
体重は変わりません。痩せたわけではありません。
でも形がキレイになります。痩せてはいないけどスタイルは良くなります。