肩甲骨のあたりが痛い、との問い合わせがありました。
ご来院いただき、詳しくお話をうかがったところ……
寝ていて起き上がるときや、座っていて立ち上がるときなど、上体が大きく動くときに背中から脇を通り胸まで痛みが走るということでした。
最初は背中だけが痛がったが、次第に脇・胸の方にまで痛みが走るように。
痛みが出るのが動いたときだけなので、筋肉のトラブルだと考えられますが、位置的に心臓がある部分。
こういう痛みが出ると相当不安になると思います。
実際に身体を診せていただくと身体全体のゆがみがあります。
肩の位置も左右で異なっています。
でも上肢帯(鎖骨・肩甲骨)の動きはそれほど問題はなさそうです。
その下、肋骨をみていくと……
8番目の肋骨が、一本だけズレていました。
おそらくこの肋骨のズレが原因だと思われます。
肋骨は呼吸に合わせて動く骨なので、よく動きますしズレやすい骨です。
ただズレることで関節のはまりが悪くなり動きが悪くなります。
上下の肋骨との関係で、間にある肋間筋(ろっかんきん)に強い負担がかかっているのだと考えられます。
おそらく痛みも肋間筋で起きているのでしょう。
治療は、まず土台となる骨盤の傾きを整え、背骨のゆがみを整えます。
肋骨は背骨についているからです。
そして背中側の背骨との関節まわりに丁寧に鍼(はり)をしてゆるめます。
このあたりは奥に肺があります。万が一鍼が肺の周りの胸膜に穴を開けてしまうと呼吸ができなくなってしまいます。
次に胸側、胸骨との関節まわりにも鍼をしていきます。
そして整体で、肋骨の位置を整え、肋間筋をゆるめていきます。
施術後、動いて確かめてもらうと痛みはかなり減っていました。
いわゆる「スジを違えた」ような状態であったため、完全に痛みが消えるのは2~3日かかります。
今回のケースは肋骨のズレが原因でした。
しかし場所的には心臓の問題が原因になっている場合もありますので、同じような症状がある人はまずお医者さんを受診するようにしてください。
そこで問題がないのであれば、ご相談ください。